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この二人を知ってます? 特別展「孫文と梅屋庄吉‐百年前の中国と日本‐」紹介

松本伸之

「賢母」の羽織明治から大正時代(20世紀) 小坂文乃氏蔵

「賢母」の羽織明治から大正時代(20世紀) 小坂文乃氏蔵

 孫文(一八六六から一九二五年)と梅屋庄吉(一八六八から一九三四年) この二人をご存じでしょうか。孫文については、中国近代史の中でその名を耳にしたことのある方も少なくないと思いますが、もう一人の梅屋庄吉となると、ほとんどの方がご存じないことでしょう。

 この二人の人物は、中国や日本が新しい国家に生まれ変わろうとする十九世紀終わり頃から二十世紀前半にかけて、互いに親密な交わりを持ちながら、片や歴史の表舞台で、片やいわば裏方として、日中両国の近代化に大きな役割を果たしました。

 孫文は、医者として社会人のスタートを切りながら、まもなく革命運動に身を投じ、後半生のすべてをその活動にささげました。清朝を倒して中国に一大転機をもたらした辛亥革命(一九一一年)の立役者であり、歴史の教科書にもしばしば登場しています。

 一方、梅屋庄吉は、長崎県に生まれ、写真業を手始めに、日活の前身となる映画会社の設立に関わるなど、日本の映像産業の黎明期に活躍しました。その過程で、若き日の孫文と出会い、以後、孫文の活動を物心両面にわたって手厚く支援し続けました。その支援額は、今日の貨幣価値でみると、一兆円を超えるともいわれています。

 この展覧会は、辛亥革命から百年の節目を迎えるのを機に、孫文と梅屋庄吉を核として、彼らと密接に関わった人々や所縁の地の実際を、当時の生の資料によってご覧いただき、彼らの業績を改めて顕彰してみようとするものです。

 梅屋庄吉のひ孫にあたる小坂文乃氏の手元で大切に保管されてきた関連遺品や、東京国立博物館と関連機関が所蔵する稀少な古写真約二五〇点は、いずれも、歴史の実像を物語るきわめて貴重な資料でありながら、これまで一般にはほとんど目に触れることがなかったものです。初公開の資料の数々により、およそ百年前の激動の時代における中国や日本の様相をつぶさにご鑑賞ください。

(まつもと のぶゆき・東京国立博物館)

 


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