五月十八日は国際博物館の日。世界各地のミュージアムで、入場無料などさまざまな記念行事が催されます。一九七七年に国際博物館会議によって提唱され、日本も二〇〇二年より参加し、活発に取り組んで参りました。その割にはまだ広くは知られていないのが残念です。
上野では、国立科学博物館、東京国立博物館、国立西洋美術館の三館が回り持ちで幹事館を勤め、東京芸術大学、東京都美術館、上野動物園、上野の森美術館、下町風俗資料館、旧奏楽堂のあわせて9館で催しております。
今年は旧岩崎邸庭園、そのならびの近現代建築資料館と、さらに寛永寺も参加され、十二館の賑やかさです。
上野のれん会は発足の二〇〇二年より参加して、お山の文化の香りと街場の賑わいの、密接な交流に努めてまいりました。今年の詳細はお山の施設や街でお配りしているパンフレット「上野ミュージアムウィーク」、そしてインターネットからは、各館のホームページおよび上野のれん会ホームページの「国際博」のバナーよりご参照ください。科博、東博、西美、下町資料館の四館の常設展が無料の十八日を中心に、前後の一週間にあたる十一日から二十六日迄の各施設の盛り沢山な催しをご案内しております。

上野ミュージアムウィークパンフレット
のれん会の企画としては、昨年につづいて外国人留学生を対象に、上野の文化施設と街の感想文、を募集します。入選者には年間有効のパスポートなどを賞品として差し上げます。ユニークな感想文の数々から、さらには「上野公園が自分の庭になりました」「将来の進路を相談したい」等の声も寄せられ、ささやかながら具体的な国際交流の手ごたえをおぼえて、欣快です。くわえて今年は留学生と日本人学生限定の浴衣着付け教室付き街案内も企画し、街のガイドを商店主がつとめます。
他に類をみないほど文化施設が集合する街、上野。ここから「国際博物館の日」を広め、より多くの方々に活用していただきたい。記念事業にたずさわる私たちの願いです。
(すがこういち・上野のれん会会長) |